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Y君はじめての◯◯シリーズ【洋ラン編~デンドロビウム~】

Y君 はじめての◯◯シリーズ
【洋ラン編~デンドロビウム~】

先生:斉藤正博さん 全日本蘭協会会長

今年は桜がいつもよりも早く咲くほど、春の訪れが早かったなぁ。そういえば1月に行った洋らん展は、冬なのに色とりどりの花が咲き乱れてキレイだったよな~。洋ランは温室育ちのイメージだけど、どうなのかな。

まだまだ栽培初心者のY君が、いろんな先生にイチから教えていただくこのコーナー。
第6回は、数多の種類がある洋ランの中の「デンドロビウム」について教えていただきます。斉藤さん、よろしくお願いいたします。

Q1デンドロビウムの特徴を教えてください。
A

洋ランの中で2番目に種類が多いグループで、東南アジアを中心に、約1,700種の原種が自生しています。いわゆる趣味家が原種を好んで栽培するのに対して、市場では多くの交配種が流通しています。特にノビル系の交配種は、日本の企業が大輪で花保ちの良い品種の育成で世界をリードし、国際的に高い評価を受けています。白、ピンク、黄、紫紅色、複色など、花色のバラエティだけでなく、最近は小型の品種も増えています。原種は洋ラン専門店や洋ラン展ででないと入手が難しいかもしれませんが、交配種は一般の花屋さんやホームセンターでも手に入ります。
ノビル系は、春に出た新芽が秋口まで育ち、気温が下がってくると成長を止めて休眠に入ります。気温の上昇とともに、春の開花期を迎えるというサイクルを毎年繰り返します。


デンドロビウム ノビル(原種)


デンドロビウム グロメラタム(原種)


デンドロウム デンシフロラム(原種)


デンドロビウム カスバート ソニー(小型の原種)


デンドロビウム ノビル系交配種3種
左から シルキー ラブ ‘アニー’/ウィンターストーム ‘ヤマモト’/ピュアー ソウル ‘アキコ’


デンドロビウム エンジェル ベイビー ‘グリーン アイ’(小型のノビル系交配種)

Q2お店等で購入する場合、どのようなものを選ぶと育てやすいでしょうか。
A

冬から春に花の咲いた株を手に入れることが多いと思います。広く流通している、ノビル系の交配種が一番育てやすいでしょう。いろいろな色彩の花がありますので、好みのものを見つけてください。バルブ(茎の部分)に著しいシワが入ったような株でなければ、その後の生育には大きな差はありません。

Q3家ではどのような場所を選んで栽培すると良いですか。
A

家に帰ったら、ガラス越しの日が当たるところに置きましょう。夜間の最低温度は5〜10℃あれば十分で、真冬のリビングルームだと暑すぎて、花持ちが悪く、株も弱ることがあります。春になり外気の最低気温が10℃位になってきたら戸外で直射日光が当たるところに置きます。戸外に出す時の注意点は、曇りの日に出し、徐々に直射日光に慣らすことです。梅雨明けから真夏は、30~50%の遮光ネットなどを上に掛け、暑さをしのぎます。木陰に吊るす場合は、あまり暗すぎない場所を選びます。日照不足だと株は育っても花が咲かない場合があります。秋の彼岸頃から再び直射日光に当てます。11月には軒下などに取り込んで、雨が当たらないように管理しますが、直射日光は必要です。その後、最低気温が5℃位になってきたら室内に取り込みガラス越しの日が当たるところに置きます。

Q4水やりの頻度(タイミング)や1回あたりの量を教えてください。
A

新芽が生長してバルブが完成するまでの春から秋口までは、2~3日に1回、鉢底から水が流れ出るくらい、たっぷり与えます。肥料は4~7月末まで、液体肥料を週に一回、置肥を月に一回与えます。8月以降も肥料を与え続けると、本来花芽が出るところから新芽が伸び始め(高芽)、株は増えますが花が咲かなくなってしまいますので、注意が必要です。
気温が下がってきたら徐々に水やりの回数を減らし、11月は1ヶ月間水を切り、乾かして花芽形成を促します。冬は花芽がない場合は7~10日に1回が目安です。花芽が膨らみ始めたら5〜7日に1回くらいに増やします。


<高芽に花が咲くこともありますが、姿が美しくないので、新芽が出たら切り取って別の鉢に植えましょう>

Q5植物が元気のない時や、枯れてしまった時はどうしたら良いですか。
A

例えば花が終わった後など、実際には元気なのに、バルブにシワが入って元気がないように見えることがあります。また、秋に低温に当て、水を切ると、今年育った芽の葉が落ちますが、いずれも全く問題ありません。もともと樹木に着生するランですから、根がびっしょりとぬれたままになるのは嫌います。元気がないようでしたら、花が終わったら植え替えしてください。植え付ける材料は、水苔で素焼き鉢に植えるか、木の皮をチップ状にしたバークと軽石を混ぜたミックスコンポストでプラスチック鉢に植えるのが一般的です。しっかりとしたバルブがある植物なので、すぐ枯れてしまうようなことは滅多にありません。


<新芽が伸びて、素焼き鉢に水苔で植え替え(鉢増し)した株>

Q6虫が発生した場合の対処と予防策はありますか。
A

ナメクジの食害が多く、つぼみは勿論ですが、春に伸び始めた新芽をかじられて生長の出鼻を挫かれます。予防として、殺ナメクジ剤を鉢の周りに置いておきます。もう一つはカイガラムシで、白く粉を吹いたようなタイプと茶色でお椀型をしたタイプがあり、葉の裏や、バルブの薄い皮の内側にある窪みなど、狭く目に付きにくい場所に着き、養分を吸い取って株を弱らせます。見つけ次第物理的に除去するとともに、カイガラムシ用の薬剤を、希釈倍率を守って直接散布します。

Q7初めて育てるYくん(やコラムをご覧の皆さん)にアドバイスや想いなど、一言お願いします。
A

ノビル系デンドロビウムは、株は育つが花が咲かないとよく言われます。8月になったら肥料を止めること、日によく当てること、11月の低温・水切り・直射光線の3つがポイントです。これらを守っていただければ、あらびっくり!きっと立派な花が咲いてくれますので、是非トライしてみてください。

すぐ枯れてしまうことも滅多にないというのは、初心者のボクにも、ちょっと安心できて心強いです!徐々に直射日光に慣らしていくことや、3つのポイントにも注意しながら、すてきなランの花を咲かせることを目指してみます。斉藤さん、お話ありがとうございました。

斉藤正博さん プロフィール

洋ランに魅せられて30年。診療所の傍らに温室を持ち、約5,000株のランを栽培しています。診療が終わって、温室でランの世話をしていると、心が和んで癒されます。世界らん展日本大賞のグランプリ4回など、受賞多数。全日本蘭協会会長、筑西市横瀬医院院長、医学博士。

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